皮膚になるべく刺激を与えずに、洗いたい・・・。洗顔料とかボディーソープの開発の現場は、この30年ほど、ず~っとこの課題に取り組んできたのでした。いわゆる石けん(脂肪酸塩)は、アルカリ性なので、そのままで皮膚を洗うと皮膚の中の細胞間脂質という大切な油脂が溶け出してしまって、つっぱった感じになってしまうことがわかり、それから、本当にいろんな工夫がされるようになったのです。

 

 われわれ化粧品研究者の間では、アミノ酸系界面活性剤も、「天然由来でどうのこうの」、というよりも、弱酸性~中性にすることで細胞間脂質の溶け出しを防ぐための重要なテクノロジーとして位置づけられています。ほかにも、モノアルキルリン酸、ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテルカルボン酸、ラウリルグルコシドなどなど、化学にあまりなじみのない方には頭が痛くなるようなカタカナ名称の界面活性剤が実用化されて、いろーんな肌にやさしい洗浄料につながりました。

   

もちろん、最強の界面活性剤「石けん」も負けてはいません。最高の泡立ちを生かしながら、優しく洗うテクノロジーが開発されているのです。たとえばひまわり油のような天然油、グリセリンのような保湿剤、カモミール抽出物のようなエキスを配合すると皮膚への刺激が下がるとか、皮膚を保護するポリマーを配合して皮膚刺激を下げる工夫がされています。このあたりのテクニック、昔から何~となく使われていたのですが、相次いで確かに皮膚刺激が下がることを実証するデータが発表されたりして、あー、ほんとに有効だったんだなあ、なんて思うのでした。

 

 特に最近では、ポンプフォーマーで泡立てたモチモチの泡で全身を洗うアイテムが相次いで発売されたりして、手で泡立てる昔ながらのボディーソープを必死になって作っていた者としては、なんか、反則技のような気がしてしまうのでした

 

 ま、喜んでくださる方がいらっしゃるわけだから、いいのかな。


アニオン性界面活性剤の評価 皮膚洗浄剤としてのモノアルキルフォスフェートの有用性

A comparison between interactions of triglyceride oil and mineral oil with proteins and their ability to reduce cleanser surfactant‐induced irritation

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