シミ・ソバカスを防ぎたい!という願いをかなえるために開発されてきた美白コスメですが、その歴史を紐解くと、ある種、トラブルメーカー的な一面も否定できないところがあるのでした。

 

たとえば,ウシの胎盤から抽出されるプラセンタというエキスは高い美白効果を示すことが昔から知られていました。ところが、2001 年にプリオンと呼ばれる病原体にウシが感染して脳の組織がスポンジ状にあるウシ海綿状脳症(BSE,狂牛病とも呼ぶ)が流行して、ウシ由来のプラセンタは使用することができなくなりました。このときの化粧品メーカーの対応はすばやくて、わずか数か月のあいだにプラセンタの原料をウシからブタに切り替えたり、植物由来の有効成分を投入したりしたのでした。商品の安全性や安定性を確認しながら新しい商品を開発するのは簡単なことではありませんが、化粧品メーカーが一体となってこの難局を乗り切ったのでした。

 

一方で悲しい事故が起こってしまったこともありました。なかでも最も記憶に新しいのが、ロドデノールという美白成分を含む化粧品を使用したことで白斑が現れた問題でした。ロドデノールはチロシナーゼ活性を阻害することが認められ、これを配合した商品も発売されたのですが、白斑の症状が多発して、自主回収することになってしまったのでした...。その後,原因の究明が進んで、ロドデノールがチロシナーゼによってオルトキノン体という毒性代謝物に転換され、メラノサイトに傷害を与えたことがわかっています。

 

厚生労働省から安全面も含めて審査が行われ、承認を受けた成分であるにもかかわらず、このような事故が起こってしまいました。われわれ化粧品に携わる人研究者は2度とこのようなことが起こらないようにしていかなければならない、と強く感じるのでした。


Guide for medical professionals (i.e. dermatologists) for the management of Rhododenol‐induced leukoderma




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